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週報

WEEKLY

2022—2023年 1月26日 多賀城ロータリークラブ例会

2023.01.26

多賀城ロータリークラブ今年度26回-通算2431回例会

【会長挨拶】

 赤坂 泰子 会長

昨日から冷え込み -7.5℃と今シーズン一番の冷え込みとなりましたが、皆様凍結は大丈夫だったでしょうか?

昨日も全国で多くのスリップ事故がございましたが、本日はこの時期北国では当たり前に使用されている融雪剤についてお話させていただきます。
改めて、融雪剤と凍結防止剤の違いをご存じでしょうか?
融雪剤は、主に塩化カルシウムでできており、凍結防止剤に用いられるのは、塩化ナトリウムです。この二つの成分の持つ特徴によって、用途の違いがあります。
融雪剤:(塩化カルシウム) この成分の特徴は、凝固点を-50度程度まで引き下げることができることが出来ます。ここまで下がると、どのような極寒の地でも一度に多くの雪を解かすことができます。また、塩化カルシウムの融雪効果は、数分から十数分程度で現れます。即効性があるため、雪が積もった道に撒くのに適しています。
凍結防止剤:(塩化ナトリウム) 塩化ナトリウムの凝固点は、-20度程度と塩化カルシウムと比較するとその温度は高くなっていますが、特筆すべきは効果の持続力です。持続力を長く保つことができる塩化ナトリウムは、降雪に備えることに適しております。
降ってからではなく、降る前に撒いておくのが、凍結防止剤です。

融雪剤は雪を溶かすだけでなく、水を吸収する機能を活かして別の用途でも使えます。たとえば乾燥しているグラウンドに散布すると、空気中に含まれている水分を融雪剤が吸収し、グラウンドにある砂を湿らせて砂ぼこりを起きにくくすることもできるそうです。
適時・適所に応じた融雪剤・凍結防止剤を使用し、安全な冬対策をお取りください。

【卓話】

『薪能 能に詠われる多賀城について』

大場 裕之 会員

以下サイトを引用し卓話いただきました。

https://www.smt.jp/library/teaching/archives/v98017.html

多賀城薪能の始まり
1985年塩釜JC10周年記念誌 「邂逅」2000人アンケート調査報告 (この頃、仙塩合併が盛り上がっていたので、二市三町の住民意識調査)、「邂逅」に続き、1987年提案書プロポジション21「出航」を発刊。その中の編集後記で多賀城に係わりのある人物として[源融]の名が挙がり、「融」という能の演目があると判りました。そこで、能を開催しようとなりました。どうせするならゆかりのある政庁跡で薪能を開催したいとなり、学生時代能を経験したことのあるJCメンバーを中心に伝を頼って人間国宝の観世流シテ方の坂井音重先生に出会い開催を依頼いたしました。通常は3~5年かかる事業ですが話がトントン拍子に進みました。
「源融」とは、嵯峨天皇の皇子・河原大臣と呼ばれ、奥州出羽按察使(あぜち)に任じられ邸宅には塩竈の浦を模した庭園を造ったとされる人物です。また、光源氏のモデルの一人と言われています。

開催までの課題点
1. 実行委員会を立ち上げる際、地元の団体・企業・個人に参画を依頼し、10団体の参加を頂き組織として立ち上げることが出来ました。例えば、(自衛隊・ソニー・RC・LC・建設業組合・商工会・観光協会・農協・21世紀農業を考える会等)

2. 問題は開催会場で特別史跡 多賀城政庁跡での開催ということで、市・県・国の許可が必要となり正式な許可をいただいたのは開催の少し前でした。許可を得るのにだいぶ苦労しました。そして、会場設置の条件として、「杭を打たない」・「自動車を乗り入れない」等の条件が付きました。当時の政庁跡は、電気などのインフラが無く、国府多賀城駅、高速のインターも無くアクセスの悪い場所でした。

3. 開催に際して、資金が必要ですが、ゼロからのスタートでしたので、当初はメンバーの名義で個人借り入れを起こし、企業協賛・個人協賛・市からの助成金・チケット収入などで開催に漕ぎ着けました。(第1回開催の金額は1800万円)これも地域の人々ご協力のお蔭です。

4. 会場の設営は多賀城の建設業組合の方々の協力により設営し、観客席は自衛隊、能の解説FM放送はソニーなどその他いろいろな団体の得意分野での協力が成功の要因だったと思います。なお、自衛隊からは霞の目飛行場より開催時の天気情報などもいただきました。

5. 第1回から10回までの公演では必ず東北にゆかりのある演目含めて、上演して頂きました。これも、演者の坂井先生のご理解があったからだと思います。

おまけとして
宮城県より 「平成2年度宮城地域づくり大賞」を受賞しました。
これは、先導的、魅力的な地域づくりに取り組む行政団体及び民間団体を表彰することにより、地域づくりについて県民意識の高揚を図り、もって、活力と潤いに満ちた文化の薫り高い均衡のある県土づくりを図ることを目的としています。

最後に、第6回開催時に書かれた新聞記事を紹介します。
仙台の北、多賀城市で10月9日に第6回多賀城薪能が開催された。会場となったのは1270年の歴史を持つ多賀城政庁の跡地。特別史跡に指定されて釘一つ打ち込めないために、能舞台は「置くだけ」。演者は坂井音重氏(能)、野村万作氏(狂言)ら一流揃いだが、彼らは町の人々の熱意に惹かれ500キロの遠路を駆けつける。実行委員会は300人の市民で構成され、文字通り手作りの「町おこし」である。当日は無事晴天。
翌日、文化庁との約束で搬入物はすべて撤去となり、{幻の舞台}はたった20時間の寿命を終えた。来年も10月に同じ場所に出現の予定。

参考
1988年10月 1日   1回目 政庁跡      委員長 佐藤仁一郎  
1989年 9月23日   2回目 学院大体育館   委員長 柴原 英紀
1990年 9月 8日   3回目 高崎廃寺     委員長 伊東 清一
1991年 9月14日   4回目 文化センター   委員長 安住 仁三
1992年 8月29日   5回目 政庁跡      委員長 小向 一男
1993年10月 9日   6回目 政庁跡      委員長 宮城 順
1994年10月 8日   7回目 政庁跡      委員長 宮城 順
1995年10月 7日   8回目 文化センター   委員長 宮城 順
1996年10月26日   9回目 文化センター   委員長 宮城 順
1997年10月11日   10回目 文化センター   委員長 跡辺 孝志